函館塩ラーメンおすすめ6軒|650円の老舗から1200円の進化系まで地元目線で比較

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函館で塩ラーメンを食べようと調べ始めると、「あじさい」「滋養軒」「一文字」といった店名がずらりと並んで、結局どこに行けばいいのか分からなくなります。しかも函館の塩ラーメンは、650円で食べられる昔ながらの一杯から、1,200円の海鮮系まで価格の幅が2倍近くあります。旅行の限られた食事回数で外したくない、というのが本音ではないでしょうか。

結論から言うと、函館塩ラーメンは「老舗の素朴系」と「進化系」の2系統に分かれていて、どちらを食べたいかを先に決めるだけで店選びは一気にラクになります。素朴系なら大門エリア(JR函館駅前)の3軒、進化系なら五稜郭・湯の川・大門にそれぞれ1軒ずつ。滞在時間と好みで選べば迷いません。

この記事では、公式サイトや店舗情報で価格・営業時間を確認できた6軒に絞って、味の傾向・価格・定休日・席数まで並べて比較します。函館は「定休日が重なると3軒同時に閉まっている」という落とし穴があるので、そこも先にお伝えします。

📌 この記事でわかること

・函館塩ラーメンが透明なスープになる理由と、札幌味噌・旭川醤油との違い
・650円〜1,200円の6軒を、価格・営業時間・席数・定休日で徹底比較
・一人旅/カップル/家族連れ/出張、それぞれの正解ルート
・スープ切れ・定休日重なりで食べ損ねないための時間帯の決め方

目次

函館塩ラーメンが「透明なのに味が濃い」と言われる理由

函館塩ラーメンが「透明なのに味が濃い」と言われる理由の解説画像

函館の塩ラーメンは、丼を運ばれてきた瞬間に「薄そう」と感じる人が多い一杯です。スープの底のレンゲが透けて見えるほど澄んでいます。ところが飲んでみると想像よりずっと味の輪郭がはっきりしていて、これが函館の塩が「北海道三大ラーメン」に数えられている理由です。まずは味の成り立ちから押さえておきましょう。

澄んだスープの正体は「豚骨+鶏ガラ+道南の昆布」

函館塩ラーメンのスープは、豚骨と鶏ガラを土台に、昆布や煮干しなどの海産物を重ねて取るのが基本形です。たとえば函館麺厨房あじさいは豚骨・鶏ガラ・昆布・にぼしを使った清湯(ちんたん)スープ、函館麺や一文字は丸鶏と南茅部(みなみかやべ)産の昆布をベースにしていると公表しています。南茅部は函館市東部の真昆布の産地で、地元の海産物がそのままスープの個性になっているわけです。

白濁させずに澄ませるには、強い火で骨を煮立てず、じっくり時間をかけて雑味を出さないように炊く必要があります。手間をかけた分だけ雑味が減り、昆布と煮干しの旨みが前に出る。だから「透明なのに味が濃い」という一見矛盾した感想になります。味噌ラーメンのような重さがないので、観光で移動が多い日でも胃にもたれにくいのが実用的な利点です。

注意点として、澄んだスープはぬるく感じやすい傾向があります。器が温まりきっていないと最後のほうで温度が落ちるので、寒い時期に食べるなら替え玉やライスを頼まず、麺とスープを一気に食べ切るペースのほうが満足度は高くなります。

札幌の味噌・旭川の醤油と何が違うのか一枚で確認

北海道三大ラーメンと呼ばれる札幌・旭川・函館は、スープの味付けだけでなく、麺の太さも脂の量もまったく別物です。同じ「北海道のラーメン」というくくりで考えていると、期待と違う一杯に当たります。違いを表にまとめました。

比較項目 函館(塩) 札幌(味噌) 旭川(醤油)
スープの見た目 透明・黄金色 濁った濃い茶色 濃褐色・表面に脂
出汁の主役 豚骨・鶏ガラ・昆布 豚骨と味噌ダレ 豚骨と魚介のW
麺の傾向 中細ストレート中心 中太のちぢれ 中細のちぢれ(低加水)
重さの体感 軽い 重い 中間

札幌で味噌を食べてきた足で函館の塩を食べると、最初のひと口は物足りなく感じます。逆に函館の塩から旅を始めた人は、札幌の味噌を「濃すぎる」と感じることが多い。順番によって印象が変わるので、旅程を組むときは「函館→札幌」の順に濃くしていくほうが、どちらもおいしく食べられます。

札幌側のラーメン事情も知っておくと比較しやすくなります。

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1884年の新聞広告に残る「南京そば15銭」という記録

函館が塩ラーメンの土地になったのは、港町として早くから中国系の料理店が根づいたからです。1884年(明治17年)4月28日、函館の中国人が営む「南京料理 養和軒」が地元紙に「南京そば」を15銭で出す広告を掲載しました。これが日本最古のラーメンの広告とされています。

💡 地元メモ

この「南京そば」がスープ入りの麺だったのか炒めた麺だったのかは資料が残っておらず、現代のラーメンとの直接的なつながりは確認されていません。「函館=ラーメン発祥の地」と言い切る看板もありますが、正確には「日本で最初に麺料理の広告が出た街」。函館の人もそのあたりは冷静で、由緒より味で選ぶ人がほとんどです。

ちなみに、この養和軒の名を継いだ「函館塩ラーメン 養和軒ぷらす」という店が現在も松風町で営業しています。歴史をなぞるのが好きな人は、そこから食べ始めると旅の筋が通ります。

麺は中細ストレートが基本、ただし店によって差がある

函館塩ラーメンの麺は中細のストレートが基本とされますが、実際に食べ歩くと店ごとの差が大きいジャンルです。函館麺厨房あじさいは中細のソフトウェーブ麺(ゆるいウェーブがかかった麺)、函館麺や一文字は中太のちぢれ麺を自家製麺で用意しています。ストレートを想像して一文字に行くと「思ったより食べごたえがある」となるわけです。

麺の違いはスープの絡み方に直結します。ストレート麺はスープを持ち上げすぎないので、澄んだスープをそのまま味わいたい人向け。ちぢれ麺は麺そのものに味が乗るので、ラーメン一杯で満腹になりたい人や、若い人・男性の食事としてボリュームを求める人に向きます。

初めての函館なら、まずストレート寄りの老舗で「これが函館の塩か」という基準を作り、2杯目で進化系や太めの麺に進むのがおすすめです。1日2杯は多い、という人は滞在初日に老舗、最終日に空港近くの店、と分けると無理がありません。

創業70年超の老舗3軒|650円から食べられる大門エリア

JR函館駅から徒歩5分圏の松風町(大門エリア)には、戦後まもなく創業した老舗が集まっています。ここで紹介する3軒はいずれも750円以下で塩ラーメンが食べられ、しかも徒歩でつなげる距離です。「函館の塩ラーメンとは何か」を知るには、まずこのエリアが最短ルートになります。

滋養軒|1947年創業、650円のワンコイン級ラーメン

まず外せないのが1947年創業の滋養軒です。函館塩ラーメンが650円という価格で、食べログのラーメンHOKKAIDO百名店にも選ばれています。カウンター3席・テーブル12席の計15席という小さな店で、澄んだ黄金色のスープに細めの麺が入った、余計なものを足さない一杯が看板です。

最大の注意点は営業時間です。11:15〜13:30がラストオーダーで、しかもスープがなくなり次第終了。定休日は火・水・木の3日間で、営業しているのは月・金・土・日だけです。つまり「函館に着いた日が火曜の午後」だと、この店の選択肢は完全に消えます。旅程を組むときは滋養軒の営業日を先に押さえ、そこに他の予定を寄せるくらいでちょうどいい店です。

支払いは現金のみ、予約も不可。チャーシューワンタンメン(塩)850円、チャーハン650円、焼きギョーザ350〜400円と、セットで頼んでも1,300円前後に収まります。一人客が多く、カウンターでさっと食べて出る空気があるので、ソロ旅行の1杯目にちょうどいい店です。

📍 滋養軒
住所 〒040-0035 北海道函館市松風町7-12
電話番号 0138-22-2433
営業時間 11:15〜13:30(L.O.)※スープがなくなり次第終了
定休日 火曜・水曜・木曜
席数 15席(カウンター3席・テーブル12席)
駐車場 あり(4台・無料)
主なメニュー 函館塩ラーメン650円/チャーシューワンタンメン(塩)850円/チャーハン650円

鳳蘭|1950年創業、塩680円と手作りシューマイの組み合わせ

滋養軒から歩ける距離にあるのが、1950年(昭和25年)創業の鳳蘭です。塩ラーメンは680円。ここで押さえておきたいのは、函館の塩=あっさりという先入観が通用しないという点です。鳳蘭のスープは豚骨9割・鶏ガラ1割で取られていて、澄んでいながらキレのある濃いめの味わい。「函館の塩は物足りない」と感じた人こそ行くべき店です。

もうひとつの名物がカウンターに並ぶ手作りシューマイで、5個700円。ラーメン・ライス・シューマイ3個・漬物がセットになった定食1,100円もあり、ラーメン一杯では足りない人はこちらが確実です。味噌ラーメン800円、チャーシューメン1,000円〜、五目メン1,030円〜、チャーハン980円と、町中華に近い幅広さがあります。

営業時間は11:00〜21:30(スープがなくなり次第終了)と長く、定休日は火曜。夜まで開いているので、函館朝市や元町を回った後の遅めの夕食にも使えます。総席数33席でカウンターとテーブルの両方があり、一人でも2〜3人でも入りやすい店です。裏通りに3台分の駐車スペースがありますが、台数が少ないのでレンタカーなら周辺のコインパーキングを想定しておくと安心です。

📍 鳳蘭
住所 〒040-0035 北海道函館市松風町5-13
電話番号 0138-22-8086
営業時間 11:00〜21:30(スープがなくなり次第終了)
定休日 火曜日
席数 33席(カウンター・テーブル)
駐車場 あり(店舗裏通りに3台)
公式サイト 鳳蘭 公式サイト

新函館らーめん龍鳳|屋台村の7席で味わう黄金塩750円

3軒目は、JR函館駅から徒歩5分の屋台村「函館ひかりの屋台 大門横丁」にある新函館らーめん龍鳳です。看板は黄金塩ラーメン750円。丸鶏から取った鶏油を熟成させた黄金色のスープが名前の由来で、かつてチャルメラを鳴らして函館の街を回っていたラーメン屋台の屋号を受け継いでいます。

席はわずか7席のカウンターのみ。屋台村なので、隣の席の人や店主との距離が近く、観光客だけでなく地元の人も普通に飲んで食べています。営業時間は10:30〜22:30と長く、定休日は不定休。朝10時半から開いているので、函館朝市で海鮮を食べた後の「もう一杯」にも、飲んだ後の締めにも使えます。

大門ギョーザ(6個)450円と合わせても1,200円。屋台村は複数の店が並んでいるので、ラーメンを食べてから別の店で1杯飲む、という回り方もできます。注意点は席数の少なさで、夜の時間帯は満席で待つ場面があること。一人なら回転が早いのですぐ座れますが、3人以上のグループだと分かれて座ることになる可能性が高いと考えておいてください。

📍 新函館らーめん 龍鳳(大門横丁)
住所 〒040-0035 北海道函館市松風町7-5 函館ひかりの屋台 大門横丁内
営業時間 10:30〜22:30
定休日 不定休
席数 7席(カウンターのみ)
主なメニュー 黄金塩ラーメン750円/大門ギョーザ(6個)450円
情報源 函館市公式観光情報「はこぶら」

大門エリアは塩ラーメン以外の名店も密集しているので、函館駅周辺で食事をまとめたい人はこちらも参考になります。

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1,000円超えでも納得できる進化系3軒

1,000円超えでも納得できる進化系3軒の解説画像

ここからは価格帯が上がります。1,030円〜1,200円と老舗の倍近い設定ですが、素材の使い方や提供スタイルが明確に違うので、「高い」ではなく「別ジャンル」と考えたほうが納得できます。老舗を食べた後に行くと違いがはっきり分かる3軒です。

函館麺厨房あじさい 本店|五稜郭で食べる函館塩ラーメンの代表格

函館の塩ラーメンと言えば、全国的に名前が知られているのが函館麺厨房あじさいです。看板の味彩塩拉麺は1,030円。道南産の厳選昆布に豚骨・鶏ガラ、海産物を合わせたスープに、中細のソフトウェーブ麺を合わせています。老舗の素朴な一杯とは方向性が違い、輪郭がはっきりした完成度の高い塩、という表現がしっくりきます。

本店はJR函館駅前から市電1本で行ける五稜郭エリアにあり、58席と広く、無料駐車場も7台分あります。営業は11:00〜20:30(料理ラストオーダー20:25)、定休日は第4水曜(祝祭日の場合は翌平日)。五稜郭タワーや五稜郭公園と組み合わせやすい立地で、観光の途中に寄れるのが強みです。

時間がない人向けに、JR函館駅2階にも店舗があります(10:00〜19:30ラストオーダー、年中無休、38席)。列車の待ち時間だけで食べ切れるので、帰りの特急に乗る直前の一杯にちょうどいい選択肢です。カレー麺(味彩加里)1,150円もあり、塩以外を試したい同行者がいても困りません。価格は改定される場合があるため、正確な最新価格は公式サイトのメニューページで確認してから向かうと確実です。

📍 函館麺厨房あじさい 本店
住所 北海道函館市五稜郭町29-22
電話番号 0138-51-8373
営業時間 11:00〜20:30(料理L.O.20:25)
定休日 第4水曜(祝祭日の場合は翌平日)
席数 58席
駐車場 あり(7台)
公式サイト 函館麺厨房あじさい 店舗情報

函館麺や一文字 函館総本店|海の見えるカウンターと自家製麺

湯の川温泉エリアにあるのが函館麺や一文字の総本店です。塩らーめんは1,100円。丸鶏と南茅部産の昆布をぜいたくに使ったスープに、自家製の中太ちぢれ麺を合わせています。ここまで紹介した店の中では最も麺の存在感が強く、スープと麺のどちらも主役という組み立てです。

この店の分かりやすい魅力が「海の見えるカウンター」で、津軽海峡を眺めながら食べられます。ラーメン店でこの景色というのは函館でもここくらいで、旅の思い出という意味では価格差以上の価値があります。国道278号沿い、函館空港から車で5分ほどの位置なので、レンタカーを返す前や飛行機に乗る前の最後の食事に組み込みやすい立地です。

営業時間は11:00〜23:00(ラストオーダー22:30)と長く、定休日は水曜(ほかに不定休あり)。34席で駐車場もあります。塩以外に正油・みそ・辛みそ・とんしお・つけ麺がすべて1,100円、地鶏えびわんたん麺(塩・正油)が1,300円、チャーシュー丼650円、半チャーハン600円。丼ものを足すと1,700円前後になるので、予算を決めてから注文する店です。夜遅くまで開いているので、湯の川温泉に宿泊する人の夕食後の一杯にも向いています。

📍 函館麺や 一文字 函館総本店
住所 〒042-0932 北海道函館市湯川町2丁目1番3号
電話番号 0138-57-8934
営業時間 11:00〜23:00(L.O.22:30)
定休日 水曜日(ほか不定休あり)
席数 34席
駐車場 あり
公式サイト 函館麺や一文字 おしながき

函館塩ラーメン 養和軒ぷらす|牡蠣しじみ・氷下魚を重ねた1,200円

最後は、1884年の「養和軒」の名を継いで松風町で営業する函館塩ラーメン養和軒ぷらすです。メニューは牡蠣しじみ×養和軒、氷下魚(こまい)×養和軒、蛸烏賊×養和軒、鱈×養和軒がいずれも1,200円。最古の塩ラーメンに道南の海の幸を「ぷらす」する、というコンセプトで、他の5軒とは完全に別枠の一杯です。

牡蠣としじみを重ねた塩や、干物として知られる氷下魚を使った塩など、名前を見ただけで味の想像がつかないラインナップが並びます。塩ラーメンをひと通り食べて「もう函館の塩は分かった」と思っている人ほど刺さる店です。逆に、素朴な函館塩ラーメンを求めて来た人が1軒目にここを選ぶと、想像とかなり違う一杯が出てきます。

カウンター8席のみの小さな店で、営業は11:00〜15:00(料理ラストオーダー14:30)と17:00〜24:00(同23:30)の二部制、スープがなくなり次第終了です。定休日は不定休でInstagramで告知されるため、行く前に必ず最新の営業情報を確認してください。深夜24時まで開いているので、飲んだ後の締めにも使えます。駐車場はないので、車の場合は近隣のコインパーキングを利用することになります。

📍 函館塩ラーメン 養和軒ぷらす
住所 北海道函館市松風町10-15
営業時間 11:00〜15:00(料理L.O.14:30)/17:00〜24:00(料理L.O.23:30)※スープがなくなり次第終了
定休日 不定休(Instagramで告知)
席数 8席(カウンターのみ)
駐車場 なし(近隣コインパーキング)
公式サイト 函館塩ラーメン 養和軒ぷらす

6軒を一枚の表で比較|価格・営業時間・席数の実データ

ここまでの6軒を、価格・営業時間・定休日・席数で並べて比較します。数字で見ると、函館の塩ラーメンは「価格が味の濃さではなく、素材と提供スタイルで決まっている」ことがはっきりします。

店名 塩の価格 営業時間 定休日 席数
滋養軒 650円 11:15〜13:30 火・水・木 15席
鳳蘭 680円 11:00〜21:30 火曜 33席
龍鳳 750円 10:30〜22:30 不定休 7席
あじさい 本店 1,030円 11:00〜20:30 第4水曜 58席
一文字 総本店 1,100円 11:00〜23:00 水曜 34席
養和軒ぷらす 1,200円 11:00〜15:00/17:00〜24:00 不定休 8席

※各店の公式サイト・店舗情報をもとにさっぽろノート調べ(2026年8月時点)。価格・営業時間は変更される場合があります。

価格差は「素材」と「席数」に出ている

表を縦に見ると、650円の滋養軒と1,200円の養和軒ぷらすでは550円、およそ1.8倍の差があります。ただしこれは味の優劣ではありません。老舗3軒は昔ながらの構成で、スープの取り方も長年変えずに続けてきた結果としての価格。一方の進化系3軒は、道南産昆布や牡蠣・氷下魚といった素材を前面に出し、その分が価格に乗っています。

もうひとつ効いているのが席数です。あじさい本店58席、一文字34席に対して、龍鳳7席・養和軒ぷらす8席。席が少ない店は回転で稼げないので、一杯あたりの単価が上がりやすくなります。逆に言えば、席数の多い店は待ち時間が短くて済むので、時間の制約が厳しい旅程では席数が実質的な選択基準になります。

予算の目安としては、老舗3軒なら1,000円あればラーメン+餃子まで届きます。進化系なら1杯で1,000〜1,200円、サイドを足すと1,700円前後。1日2軒回るなら「老舗+進化系」の組み合わせで合計2,000円弱、というのが現実的な組み方です。

13時に滋養軒へ向かったらスープ切れ、という失敗

⚠️ よくある失敗①:昼の観光を終えてから向かって閉店

滋養軒のラストオーダーは13:30ですが、スープがなくなり次第終了です。函館朝市や元町を回ってから13時すぎに向かうと、暖簾が下りているという事態が起こります。対策は単純で、この店だけは「開店の11:15〜12時前」に組み込むこと。観光を午後に回して、まずラーメンを食べてしまうのが確実です。

同じことが養和軒ぷらすにも当てはまります。こちらも「スープがなくなり次第終了」で、ランチ営業は15:00まで(料理ラストオーダー14:30)。夜も24時まで営業しているので、昼を逃したら夜に切り替えるという逃げ道はあります。

時間に融通が利くのは鳳蘭(11:00〜21:30)と一文字(11:00〜23:00)、龍鳳(10:30〜22:30)の3軒です。旅程が読めない日、あるいは列車の遅れが心配な日は、この3軒のどれかを候補に入れておくと食べ損ねません。

アクセスは「大門4軒」と「五稜郭・湯の川」で分かれる

立地を整理すると、滋養軒・鳳蘭・龍鳳・養和軒ぷらすの4軒はすべて松風町、つまりJR函館駅から徒歩5分圏の大門エリアにあります。この4軒は徒歩で行き来できる距離なので、1軒が定休日でもすぐに別の店へ回れるのが強みです。函館駅に着いてすぐ、あるいは帰る前の最後の食事に組み込みやすいのもここ。

一方、あじさい本店は五稜郭エリア、一文字総本店は湯の川エリアと、駅からは離れています。あじさい本店はJR函館駅前から市電1本でアクセスできるので公共交通でも問題ありません。一文字は函館空港から車で5分ほどの国道沿いなので、レンタカーか空港送迎と組み合わせるのが自然です。

公共交通だけで動く旅行者なら、大門4軒+あじさい(本店またはJR函館駅店)で十分に函館の塩を味わえます。レンタカーがあるなら、湯の川の一文字を最終日の空港前に入れるのが時間効率としては最良です。

混雑を避けるなら平日11時台か14時台

函館の塩ラーメン店は観光客と地元客が入り混じるので、12時台と18〜19時台に人が集中します。特にあじさい本店と一文字は知名度が高く、休日の昼は席が埋まりやすい時間帯です。58席・34席と規模があるので長時間待つことは少ないものの、10〜20分の待ちは想定しておいたほうが気楽です。

おすすめは開店直後の11時台と、昼のピークが引けた14時台。ただし14時台は滋養軒がすでに終わっている点に注意してください。夜なら、21時以降まで開いている鳳蘭・一文字・養和軒ぷらす・龍鳳が候補になります。

席数7席の龍鳳と8席の養和軒ぷらすは、そもそも同時に座れる人数が限られています。1〜2人なら回転が早いのですぐですが、4人以上だとまとまって座れない可能性が高い。グループなら、席数の多いあじさい本店や鳳蘭を選んだほうがストレスがありません。

一人旅・カップル・家族連れ・出張、それぞれの正解

一人旅・カップル・家族連れ・出張、それぞれの正解の解説画像

同じ6軒でも、誰と行くかで最適解は変わります。席の作りと滞在時間の相性がはっきり分かれるので、シーン別に整理しておきます。

一人旅なら滋養軒か龍鳳、カウンターの回転が早い

一人で函館に来ているなら、迷わず滋養軒か龍鳳です。滋養軒は15席の小さな店で一人客が多く、カウンターでさっと食べて出る空気があります。650円という価格も、一人旅で食費を抑えつつ名店を押さえたい人には理想的です。

夜に一人で食べたいなら龍鳳。屋台村の7席カウンターなので一人でも浮きませんし、10:30〜22:30と時間の幅が広いので、宿にチェックインしてから出直すこともできます。屋台村には他の店も並んでいるため、ラーメンの後に軽く飲むという流れも作れます。

注意点は、どちらも席数が少なく荷物置き場が限られること。大きなスーツケースを持ったまま入るのは現実的ではないので、函館駅のコインロッカーか宿に預けてから向かってください。

カップル・友人同士なら養和軒ぷらすか一文字

二人で行くなら、話のネタになる店が向いています。養和軒ぷらすは牡蠣しじみ・氷下魚・蛸烏賊・鱈と4種の塩ラーメンが1,200円で並ぶので、別々に頼んでシェアすれば一度に2種類味わえます。1884年の養和軒の名を継いだ店という背景も、食べながら話す材料になります。

景色を優先するなら一文字総本店です。海の見えるカウンターから津軽海峡を眺めながら食べられるラーメン店は、函館でもここが際立っています。塩らーめん1,100円、地鶏えびわんたん麺1,300円と選択肢もあるので、二人で違うものを頼んで交換するのに向いています。

ただしどちらもカウンター中心の構成です。向かい合ってゆっくり話しながら食べたい場合は、テーブル席のある鳳蘭やあじさい本店のほうが落ち着きます。目的が「食事」なのか「会話」なのかで選び分けてください。

家族連れは席数58席のあじさい本店が安心

子ども連れなら、あじさい本店が最も気を使わずに済みます。58席という規模で待ち時間が読みやすく、無料駐車場が7台分。カレー麺(味彩加里)1,150円のように、辛くない・塩以外の選択肢があるのも家族向きです。五稜郭タワーや五稜郭公園と組み合わせられる立地なので、観光の動線にも無理なく入ります。

次点は鳳蘭です。33席あってテーブル席もあり、定食1,100円(ラーメン・ライス・シューマイ3個・漬物)やチャーハン980円、カレーライス750円と町中華のような幅があるので、ラーメンを食べない家族がいても困りません。手作りシューマイ5個700円は取り分けにも使えます。

逆に、7席の龍鳳と8席の養和軒ぷらすは家族連れには不向きです。全員がまとまって座れる可能性が低く、待っている間に子どもが飽きてしまいます。人数が3人を超える場合は、席数の多い店から候補を絞るのが失敗しないコツです。

出張・乗り継ぎならJR函館駅店か湯の川の一文字

出張で函館に来て、使える時間が1時間しかない。そんなときはあじさいのJR函館駅店(駅2階、10:00〜19:30ラストオーダー、年中無休、38席)が現実的です。改札から動かずに食べられるので、特急や新幹線の接続時間だけで完結します。年中無休なので曜日を気にしなくていいのも出張向きです。

飛行機を使うなら、函館空港から車で5分ほどの一文字総本店。11:00〜23:00と営業時間が長いので、夕方の便でも夜の便でも組み込めます。レンタカーを返す直前に寄る、という使い方が最も無駄がありません。

時間が読めない出張なら、朝10時半から開いている龍鳳も候補です。早めの昼食にも遅めの夕食にも対応でき、7席なので一人なら待ちもほぼありません。仕事の合間に「函館らしいものを一つだけ食べたい」というニーズにはこれで十分応えられます。

注文と食べ方で満足度が変わる4つのコツ

店を選んだら、あとは注文の仕方です。函館の塩ラーメンは構成がシンプルな分、頼み方ひとつで印象が変わります。地元で当たり前になっている作法をまとめました。

火曜に大門エリアへ行くと2軒同時に閉まっている

⚠️ よくある失敗②:定休日が重なって候補が消える

滋養軒は火・水・木が定休日、鳳蘭は火曜が定休日。つまり火曜に大門エリアへ行くと、老舗2軒が同時に閉まっています。さらに水曜は滋養軒に加えて一文字も定休日。対策は、旅程を組む段階で「火曜・水曜は候補が半減する」と前提を置き、その曜日は龍鳳・養和軒ぷらす・あじさい本店から選ぶことです。

曜日の縛りが最も強いのは滋養軒で、営業しているのは月・金・土・日の4日間だけ。しかも昼の2時間強しか開いていません。この店を本命にするなら、旅程の中でここを最優先の固定枠にして、他の予定を後から埋めるのが唯一の方法です。

不定休の龍鳳と養和軒ぷらすも油断できません。特に養和軒ぷらすは休みがInstagramで告知されるため、行く前に最新の投稿を確認する習慣をつけておくと空振りを防げます。

支払いは現金を用意しておくと確実

老舗ほどキャッシュレス対応が限られます。滋養軒は現金のみで、カードも電子マネーも使えません。予約も受け付けていないので、その場に並ぶしかない店です。観光地の飲食店はキャッシュレスが当たり前になっていますが、函館の老舗ラーメン店に関しては現金を持っている前提で動いたほうが安全です。

目安として、一人1,500円程度の現金を財布に入れておけば、ラーメン+サイドメニューまで問題なく足ります。2軒回るなら3,000円。ATMを探して往復する時間のほうがもったいないので、函館駅に着いた時点で現金を確保しておくのが効率的です。

進化系の店やチェーン展開している店は対応が異なる場合があるので、支払い方法が気になる人は事前に店へ確認してください。

サイドメニューは「シューマイ」と「ワンタン」が函館流

函館の塩ラーメン店で目につくのが、餃子ではなくシューマイを置いている店の存在です。鳳蘭はカウンターに手作りシューマイが並んでいて、5個700円。定食1,100円にもシューマイ3個が付きます。中国系の料理店から発展した函館のラーメン文化らしい構成です。

ワンタンも定番で、滋養軒のチャーシューワンタンメン(塩)850円、一文字の地鶏えびわんたん麺(塩・正油)1,300円がそれにあたります。澄んだスープにワンタンのつるりとした食感が加わると、シンプルな一杯が一気に食事らしくなります。塩ラーメン単品では物足りない人は、最初からワンタン入りを頼むほうが結果的に安上がりです。

気をつけたいのは量です。函館の塩ラーメンは軽いので「もう一品いけそう」と感じますが、チャーハン(鳳蘭980円、一文字850円)を足すと一人前としてはかなりのボリュームになります。2軒はしごを予定しているなら、1軒目はラーメン単品に留めておくのが賢い選択です。

お土産の乾麺は「食べた店の味」を選ぶと外さない

函館の塩ラーメンは持ち帰り需要も大きく、あじさいは土産用の乾拉麺を1食420円で販売しています。本店やJR函館駅店で買えるので、店で食べたその足で購入できるのが便利です。旅の記憶と味が結びつくので、食べた店の商品を選ぶのが満足度としては一番確実です。

注意点として、店で食べる一杯と土産用の商品は同じ味ではありません。生麺と乾麺、店の寸胴で取ったスープと工場で作られたスープでは、どうしても差が出ます。「あの味をそのまま持ち帰る」という期待で買うと落差を感じるので、「あの店の味を思い出すためのもの」と考えておくとちょうどよく楽しめます。

函館の土産は塩ラーメン以外にも選択肢が多いので、まとめて買うなら全体を見てから決めるのが効率的です。

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函館塩ラーメンのよくある疑問に答えます

最後に、旅行の計画中によく出てくる疑問をまとめて解消しておきます。特に「札幌でも食べられるのか」「駅から歩けるのか」は、旅程を左右する重要なポイントです。

札幌や新千歳空港でも函館の塩ラーメンは食べられる?

Q. 函館まで行けないのですが、札幌で函館の塩ラーメンは食べられますか?
A. 函館麺厨房あじさいが札幌市中央区のモユク札幌に出店しています(11:00〜21:15ラストオーダー、年中無休、15席)。新千歳空港店(9:45〜20:30ラストオーダー、年中無休、41席)もあるので、北海道を出る直前に食べることも可能です。ただし15席・41席と規模が違うため、混雑度合いは店舗によって差があります。

札幌のモユク札幌店は駅前通に面した商業施設内にあるため、大通・すすきの観光の合間に立ち寄れます。年中無休なので曜日を気にせず行けるのも利点です。ただし15席と小さいので、昼のピーク時は待つ覚悟が必要になります。

新千歳空港店は41席あり、搭乗前の食事に組み込みやすい規模です。9:45から営業しているので、朝の便で北海道を出る人でも間に合います。函館まで足を延ばせなかった旅程の「最後の一杯」として選ぶ人が多い店舗です。

JR函館駅から歩いて行けるのはどの店?

徒歩圏で行けるのは、松風町にある滋養軒・鳳蘭・龍鳳・養和軒ぷらすの4軒です。いずれもJR函館駅から徒歩5分前後の大門エリアにあり、函館朝市からも近い距離にあります。市電を使う場合、鳳蘭は市電2系統の松風町停留場から徒歩3分です。

あじさい本店は五稜郭エリアなので徒歩では厳しく、JR函館駅前から市電で向かうことになります。ただし、あじさいはJR函館駅2階にも店舗があるので、「駅から動かずにあじさいの味を食べたい」なら駅店を選べば解決します。

一文字総本店は湯の川エリアで、函館空港から車で5分ほどの位置。徒歩でのアクセスは現実的ではないので、レンタカーまたは市電+徒歩の組み合わせで計画してください。湯の川温泉に宿泊するなら、宿からの距離を確認しておくとスムーズです。

「函館の塩はあっさりすぎる」と感じたらどうする?

実は、函館の塩ラーメン=あっさりという評価は正確ではありません。鳳蘭のスープは豚骨9割・鶏ガラ1割で取られていて、澄んだ見た目とは裏腹にキレのある濃いめの味わいです。「あっさりが物足りない」と感じた人ほど、鳳蘭に行くと印象が変わります。

もう一つの解決策が、麺の存在感で満足度を上げるアプローチです。一文字の中太ちぢれ麺は食べごたえがあり、塩でありながらしっかり食事をした感覚が残ります。塩らーめん1,100円にチャーシュー丼650円を足せば、物足りなさとは無縁です。

それでも味の濃さが欲しいなら、鳳蘭の味噌ラーメン800円や、一文字の辛みそらーめん1,100円という選択肢もあります。函館の店は塩以外もきちんと作っているので、無理に塩にこだわる必要はありません。同行者と別々に頼んでシェアするのが、旅としては一番よい落としどころです。

閉店してしまった有名店はある?

あります。ミシュランガイド北海道特別版でビブグルマンに選ばれた函館の名店「星龍軒」は、2018年に閉店しました。今も検索するとおすすめ記事に名前が出てくることがありますが、現在は店舗として営業していません。古い記事を見て向かうと空振りになるので注意してください。

函館に限らず、老舗ラーメン店は店主の高齢化で突然閉店することがあります。この記事で紹介した6軒はいずれも2026年8月時点で営業を確認していますが、旅行の直前にもう一度、公式サイトやSNSで営業状況を確認するのが確実です。

特に不定休の店(龍鳳・養和軒ぷらす)と、営業日が週4日の滋養軒は、当日の営業有無で旅程が変わります。函館市公式観光情報サイト「はこぶら」など、更新されている情報源を併用して確認するのがおすすめです。

まとめ|函館塩ラーメンは「老舗か進化系か」を先に決める

⛄ この記事の結論

函館塩ラーメンは大門エリアの老舗3軒と、五稜郭・湯の川・大門の進化系3軒に分かれます。どちらを食べたいか先に決めれば店選びで迷いません。

✅ 要点チェック
  • 価格帯:老舗650〜750円、進化系1,030〜1,200円
  • 最安:滋養軒の函館塩ラーメン650円(営業は週4日)
  • 徒歩圏:大門エリアの4軒はJR函館駅から徒歩5分前後
  • 曜日注意:火曜は滋養軒・鳳蘭が休み、水曜は一文字も休み
  • 時間注意:滋養軒・養和軒ぷらすはスープ終了で早じまいあり
  • 家族連れ:58席のあじさい本店が最も待ちにくい
  • 札幌でも:あじさいはモユク札幌店・新千歳空港店あり

函館の塩ラーメンは、透明なスープに豚骨・鶏ガラ・道南の昆布が溶け込んだ、見た目より味の輪郭がはっきりした一杯です。650円の滋養軒から1,200円の養和軒ぷらすまで価格の幅がありますが、その差は味の優劣ではなく、素材の選び方と店の規模の違いから生まれています。まずは大門エリアの老舗で基準を作り、余裕があれば進化系に進む。この順番なら、どの店を選んでも納得できます。

旅程を組むうえで最も重要なのは、営業日と営業時間です。滋養軒は月・金・土・日の11:15〜13:30だけ、鳳蘭は火曜定休、一文字は水曜定休。火曜と水曜は選択肢が半減するので、その曜日に函館にいるなら龍鳳・養和軒ぷらす・あじさい本店を軸に組み立ててください。スープがなくなり次第終了の店もあるため、本命がある日は観光より先にラーメンを食べてしまうのが確実です。

最初の一歩としておすすめなのは、函館到着日にJR函館駅から歩いて大門エリアへ向かい、滋養軒か鳳蘭で1杯目を食べること。650〜680円という価格で函館の塩の基準を体に入れておけば、2杯目にあじさいや一文字を食べたときの違いがはっきり分かります。そこまでやって初めて、「函館の塩ラーメンを食べた」と言えるはずです。

※本記事の価格・営業時間は2026年8月時点で各店の公式サイト・店舗情報をもとに確認したものです。最新情報は各店の公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

北海道・札幌好きのグルメ大好き。グルメ好きだからこそ知っている穴場のお店や、観光では見落としがちなスポットを調査して発信しています。休日はカフェ巡りと温泉が趣味。札幌の四季折々の魅力をお届けします。

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