小樽といえば寿司、と思って旅程を組んだ人ほど、現地で「あんかけ焼きそば」の看板の多さに面食らいます。中華食堂の店先にも、運河沿いのレストランにも、郊外の専門店にも同じ料理名が並んでいて、どれが正解なのかがまるで見えてこない。しかも店によって、あんの色も麺の焼き加減も値段も違います。
結論から書きます。小樽あんかけ焼きそばに「これが本物」という一皿は存在しません。地元の推進団体である小樽あんかけ焼そば親衛隊自身が「明確な定義はない」と言い切っているからです。だからこそ選び方は、味の当たり外れを当てにいくのではなく、自分の旅程と胃袋のサイズに合う店を選ぶのが正解になります。920円で気軽に食べられる駅前の老舗もあれば、あんかけだけを専門にした郊外店もあります。
この記事では、小樽あんかけ焼そば親衛隊の協力店の中から、エリアも味の方向性も違う6軒を選び、価格・定休日・立地を並べて比較します。あわせて発祥の歴史、注文時の失敗パターン、旅程への組み込み方まで、地元目線でまとめました。読み終わるころには「自分はこの店に行けばいい」が決まっているはずです。
・小樽あんかけ焼きそばに共通する3つの特徴と「定義がない」という事実
・駅前から郊外まで、タイプの違う名店6軒の価格と立地
・6軒を数字で比べた独自比較表と、目的別の選び方
・行ってから後悔しないための定休日・営業時間の落とし穴
小樽あんかけ焼きそばって結局どんな食べ物なのか

「定義がない」のが最大の特徴という不思議
小樽あんかけ焼きそばには、統一されたルールがありません。ご当地グルメというと「麺は太麺」「味付けは醤油ベース」といった細かい規定がある例が多いのですが、小樽の場合はそれがない。推進団体である小樽あんかけ焼そば親衛隊も、公式サイトで「小樽あんかけ焼そばは五目あんかけ焼そばを指すが、これが小樽あんかけ焼そばだという明確な定義はない」と説明しています。
その代わりに、多くの店に共通して見られる傾向として挙げられているのが3点です。ひとつ目は餡を固めにしていること。ふたつ目はボリュームがたっぷりであること。3つ目は麺をしっかりと焼いていること。この3つが重なると、表面が香ばしく焼けた麺に、とろみの強いあんが重たくのしかかる一皿になります。
旅行者にとってこの「定義のなさ」は、実はメリットです。1軒目で塩あんの上品な皿を食べ、2軒目で醤油の濃いブラウンのあんを食べても、まったく飽きません。逆に「1軒行けば小樽のあんかけ焼きそばがわかる」とは考えないほうがよく、時間があるなら味の方向性が違う2軒を回るほうが満足度は上がります。ただし1皿のボリュームが大きいため、はしごするならハーフサイズがある店を組み合わせるのが現実的です。
卓上の「三種の神器」を使わないともったいない
小樽であんかけ焼きそばを頼むと、テーブルに必ずと言っていいほど3つの薬味が並びます。カラシ・紅ショウガ・お酢で、地元では「三種の神器」と呼ばれています。これは飾りではなく、味を組み立てるための道具です。
理由は餡の性質にあります。固めに仕上げたあんは口の中に長く残るので、後半になるほど重く感じやすい。そこでお酢を回しかけると全体が一気に軽くなり、カラシを少量溶かすと甘みのある野菜のあんが引き締まります。紅ショウガは箸休めとして、油の乗った麺と交互に食べると口の中がリセットされます。
使い方のおすすめは、まず何もかけずに3分の1を食べ、次にお酢、最後にカラシという順番です。最初から全部混ぜてしまうと、その店が作り込んだ出汁の輪郭が消えてしまいます。特に鶏ガラや煮干しで丁寧に取ったスープをあんに使う店では、味の変化そのものが楽しみになります。注意点として、お酢は入れすぎると戻せません。小さじ1杯程度から試すのが無難です。
普通サイズが「普通」ではない店がある
小樽のあんかけ焼きそばで最初につまずくのがサイズ感です。店によっては普通サイズが麺2玉分あり、大盛りにすると麺3玉分になります。他の街の中華食堂の感覚で普通盛りを頼むと、食べきれずに苦しむことになります。
たとえば中華食堂 龍鳳は、普通サイズが麺2玉分、ハーフサイズが麺1玉分、大盛りが麺3玉分という構成です。つまり他店の1人前に相当するのがハーフサイズという計算になります。女性やお子さん、あるいは寿司や海鮮も食べる予定の人は、最初からハーフを選ぶ判断が正解になる場面が多いはずです。
逆に「小樽まで来たからには限界まで食べたい」という人には、これ以上ない街でもあります。学生や運動部帰りの若者が普通サイズを平らげていく光景は、小樽の中華食堂では日常です。注意点は、あんかけは冷めても量が減らないこと。写真を撮って談笑しているうちにあんが固まり、残り半分が急に重くなるパターンはよくあります。出てきたら先に食べ始めるのが鉄則です。
小樽の中華食堂では、あんかけ焼きそばを「あんかけ」とだけ呼ぶ人が多数派です。メニュー表記も「あんかけ焼そば」「あんかけヤキソバ」「五目あんかけ焼そば」と店ごとにバラバラなので、注文時に迷ったら「あんかけを1つ」で通じます。
なぜ小樽の名物になった?昭和25年からの系譜をたどる
発祥は諸説、確実なのは昭和32年9月18日
小樽あんかけ焼きそばの起源は、はっきり1軒に絞れません。小樽あんかけ焼そば親衛隊の記録によれば、昭和25年頃には都通りのレストラン・ロールと、花園銀座通りの来来軒ですでに提供が確認されています。つまり戦後まもない時期から、小樽の街には同系統の料理が存在していたことになります。
ただし「小樽のソウルフード」と呼べるまで広めた立役者は別にいます。昭和32年(1957年)9月18日、中華料理 梅月が「五目あんかけ焼そば(炒麺)」の提供を始めたことが転機でした。ここから昭和30年代にかけて、あんかけ焼きそばは小樽全体へ広がっていきます。日付まで残っているご当地グルメは全国的にも珍しく、地元の記録意識の高さがうかがえます。
その梅月は2013年に閉店しました。今から食べに行くことはできませんが、系譜は途切れていません。梅月で腕を振るった店主が独立して営む店が今も小樽で営業しており、発祥の味の延長線上にある一皿を口にすることはできます。歴史から入りたい人は、この系譜を意識して店を選ぶと旅の意味が変わります。
2012年発足の親衛隊は「焼きそばを売る組織」ではない
小樽あんかけ焼そば親衛隊は、2012年9月に発足した市民団体です。名前だけ見ると飲食店組合のように思えますが、公式サイトには「あんかけ焼そばを売ったり普及させたりするための組織ではなく、小樽の街全体をPRすること」が目的だと明記されています。
この立ち位置が、結果として旅行者に効いています。親衛隊の協力店リストは、有名店だけを並べた宣伝リストではなく、都通り・小樽運河周辺・花園・商大通り・入船・手宮・奥沢・銭函・祝津といった市内各エリアに20軒以上が散らばる実用的な地図になっているからです。ホテルの場所や観光ルートに合わせて店を選べます。
実際に使う場面としては、旅程を組む前に協力店マップを一度眺めておくのがおすすめです。小樽運河や堺町通りだけを歩く予定の人と、水族館や朝里方面まで足を延ばす人とでは、現実的に寄れる店がまったく変わります。注意点は、協力店に載っていても各店の営業日は個別に確認が必要なこと。リストは店選びの入口であって、営業情報の保証ではありません。
協力店の一覧とエリア分けは、小樽あんかけ焼そば親衛隊の公式サイトで確認できます。歴史の記述もこの公式サイトが一次情報です。
あんかけ焼きそばが根づいた街の事情
ではなぜ小樽だったのか。決定的な資料はありませんが、街の構造を見ると納得感があります。小樽は港町として栄え、労働者が多く、短時間で腹を満たせて冷めにくい料理が求められた土地でした。とろみのついたあんは湯気を逃がしにくく、冬でも最後まで熱いまま食べられます。
もうひとつが製麺所の存在です。小樽には老舗の製麺所があり、市内の中華食堂に麺を供給してきました。中華食堂 桂苑が使う中太の縮れ麺も市内の兼正阿部製麺のものですし、後述する専門店はその阿部製麺が直営しています。麺の作り手が街の中にいることが、焼き加減にこだわる文化を支えてきたわけです。
旅行者としては、この背景を知っていると食べ方が変わります。麺の焦げ目や縮れ具合を意識して食べると、店ごとの差がはっきり見えてくるからです。注意したいのは、こうした背景を「だから小樽のものが日本一」と受け取らないこと。あんかけ焼きそばは各地にあり、小樽のものはあくまで一つの系統です。比べるより、違いを楽しむほうが得をします。

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草分け的存在の桂苑は920円で全部わかる
最初の1軒に迷ったら、中華食堂 桂苑を選べば間違いが少ないです。あんかけ焼そばは920円で、注文の約半分をこの一皿が占めるという看板メニュー。1964年(昭和39年)創業の老舗で、小樽のソウルフードとしてのあんかけ焼きそばを語るときに必ず名前が挙がる店です。
味の設計は醤油ベースで、ニンニク・ショウガ・ゴマ油の風味が立ちます。麺は市内の兼正阿部製麺による中太の縮れ麺で、焼きが入ることでもちもちした食感になります。席はカウンター5席・テーブル28席の全33席。アクセスはJR小樽駅前から徒歩5分、都通り商店街のアーケード内なので、雨や雪の日でも濡れずに行けるのが旅行者にはありがたいところです。
使い方としては、小樽到着直後の昼食に向いています。駅から近く、荷物を持ったままでも入れて、920円という価格なら夜の寿司予算も削りません。注意点は定休日が木曜であること、そして人気店ゆえ昼のピークには行列ができること。なお2024年5月から店舗改修で休業し、創業60周年にあわせて2024年9月9日にリニューアルオープンしています。古い記事の外観写真とは印象が違うので、その点は覚えておいてください。
桂苑と龍鳳はどちらも木曜が定休日です。木曜に「小樽であんかけ焼きそばを食べよう」と駅前エリアだけを歩くと、有名2軒が同時に閉まっている状況になります。木曜に小樽入りする人は、後述する運河沿いや郊外の店を最初から候補にしておくと空振りを防げます。
| 住所 | 北海道小樽市稲穂2丁目16-14 |
| 電話番号 | 0134-23-8155 |
| 定休日 | 木曜 |
| アクセス | JR小樽駅前から徒歩5分(都通り商店街のアーケード内) |
| 駐車場 | 専用駐車場なし(2,000円以上の会計で契約駐車場1時間分の無料券あり・要問い合わせ) |
| 公式サイト | 公式サイト |
五十番菜館はあっさり派と「あげそば」の二刀流
同じ都通り商店街にある五十番菜館は、桂苑とは方向性が違います。あんかけヤキソバは860円程度で、味わいはあっさり系。濃厚なあんが苦手な人や、油の重さを避けたい人にはこちらのほうが合います。
具材はエビ・豚肉・きくらげ・玉ねぎ・もやし・グリーンピース・たけのこなど品数が多く、野菜の甘みがあんに溶け出します。焼きの入った麺の香ばしさとの対比がわかりやすいのも特徴です。さらにこの店の面白さは麺を2種類から選べること。焼そばのほかに「あんかけアゲソバ」があり、こちらは860円程度で、揚げた麺にあんをかけたパリパリ食感を楽しめます。
シーンとしては、寿司や海鮮丼を食べた後に「もう一皿だけ」という組み合わせに向いています。JR小樽駅から約300mの都通り商店街内なので、寄り道の負担も小さい。注意点は定休日が火曜であること(不定休もあり)と、昼の時間帯に営業が集中するタイプの店であること。夜に食べるつもりで動くと入れない可能性があります。訪問前に電話で確認しておくと確実です。
| 住所 | 北海道小樽市稲穂2丁目10-1 |
| 電話番号 | 0134-32-4793 |
| 定休日 | 火曜(不定休あり) |
| アクセス | 小樽都通り商店街内(JR小樽駅から約300m) |
| 駐車場 | なし |
| 公式サイト | 公式サイト |
龍鳳は「幸せの黄色いあんかけ焼きそば」で個性が振り切れている
変化球を求めるなら中華食堂 龍鳳です。看板の「幸せの黄色いあんかけ焼きそば」は、北海道産かぼちゃを使った黄色いあんにチーズとミルクの風味を重ねた一皿で、見た目も味もドリアに近い方向へ振り切っています。ほかにもブラックサバス焼きそば、腹黒あんかけ焼きそば、ニャンかけ焼きそば、エビ塩あんかけ焼きそば、五目あんかけ焼きそばなど、個性的なメニューが並びます。
ふざけた店なのかというと、まったく逆です。味の土台は豚骨・鶏ガラ・煮干し・昆布・カツオ節を使ったダブルスープで、出汁の設計は本格派。だからこそ、かぼちゃやチーズを乗せても輪郭がぼやけません。JR小樽駅から徒歩10分の梁川商店街にあり、店外まで行列ができることもあります。
向いているのは、小樽が2回目以降の人や、SNSに載せたくなる一皿を探している人です。定番の醤油あんはすでに食べた、という段階の人ほど刺さります。注意点は3つ。定休日が木曜であること、普通サイズが麺2玉分と多いこと、そして麺やスープが切れると早めに終了する日があることです。昼の遅い時間に「ここでいいや」と向かうのはリスクが高い店だと考えてください。
| 住所 | 北海道小樽市稲穂4丁目4-9 |
| 電話番号 | 0134-23-9918 |
| 定休日 | 木曜 |
| アクセス | JR小樽駅から徒歩10分(梁川商店街) |
| 公式サイト | 公式サイト |
運河・花園・郊外まで足を延ばして出会える3軒
小樽中国料理 レストラン好は運河正面の歴史的建造物で食べる
観光の動線に素直に組み込めるのが小樽中国料理 レストラン好です。小樽運河の正面にある歴史的建造物がそのまま店舗で、建物は昭和8年(1933年)築。1988年から続く店で、運河散策のあとに歩いてそのまま入れる立地は他店にない強みです。
あんかけ焼そばのラインナップは、五目あんかけ焼そばが1,000円、海老あんかけ焼そばが1,000円、豚肉細切りあんかけ焼そばが1,000円。大盛にすると1,300円になります。それぞれ塩と醤油から選べるので、同行者と味を変えて分け合うこともできます。営業時間は11:00〜21:00で、11:00〜14:00にはランチセットも用意されています。
使い方としては、運河のライトアップを見る前後の食事に組み込むのが現実的です。夜まで通し営業なので、観光の時間が読めないときの保険にもなります。定休日は12月31日〜1月2日のみ。年末年始に小樽へ行く人はここだけ注意してください。中華食堂の気軽さより、建物の雰囲気を楽しみたい人向けの一軒です。
| 住所 | 北海道小樽市色内1-2-18 協和浜ビル1F |
| 電話番号 | 0134-32-0680 |
| 営業時間 | 11:00〜21:00 |
| 定休日 | 12月31日〜1月2日 |
| アクセス | 小樽運河の正面にある歴史的建造物 |
| 駐車場 | あり |
| 公式サイト | 公式サイト |
意外と知られていませんが、小樽のあんかけ焼きそば店は昼に集中しています。中華食堂系は昼だけの営業も多く、夕方以降に食べたい人は選択肢が一気に減ります。夜に食べる可能性があるなら、運河沿いの好や花園の華舟のように夜も開いている店を最初からブックマークしておくのが、旅程の保険になります。
中国料理 華舟は発祥・梅月の系譜を継ぐ一皿
歴史をたどりたい人が向かうべきは中国料理 華舟です。店主は発祥店とされる梅月(2013年閉店)で修業した経歴の持ち主で、失われた発祥の味の系譜を今に伝える存在として、市内外の常連から支持されています。
あんかけヤキソバは950円程度。濃厚なブラウンカラーのあんと、香ばしい焼き目の麺が特徴で、具材にムール貝が入るのは他店では見かけない個性です。花園の飲食店街にあり、夜遅くまで営業しているのも中華食堂とは違うところ。1杯飲んだ後の締めに使えるタイプの店です。
向いているのは、小樽で夜を過ごす人や、観光地価格ではない地元の空気を味わいたい人。アットホームな雰囲気で地元常連が多く、旅行者だけの店ではありません。注意点は定休日が月曜であることと、昼の営業時間が短い日があること。昼に狙うなら早めの時間に動いてください。価格については情報源によって幅があるため、あくまで目安として考え、会計時に驚かないようにしておくと安心です。
| 住所 | 北海道小樽市花園3丁目9-1 |
| 電話番号 | 0134-23-2237 |
| 定休日 | 月曜 |
| 駐車場 | なし(近くにコインパーキングあり) |
| 公式サイト | 公式サイト |
とろり庵は製麺所直営の「あんかけ専門店」
あんかけ焼きそばだけを目当てに小樽へ行くなら、小樽あんかけ処 とろり庵が本命になります。創業65年の製麺所「株式会社兼正 阿部製麺」が直営する店で、2015年4月16日オープン。麺の作り手が自ら店を出しているという点で、市内でも特異な立ち位置にあります。
メニューはあんかけ一色です。あんかけ焼きそば(醤油・塩)が980円、ハーフが680円、あんかけラーメンが980円、あんかけ炒飯が980円、あんかけ丼が980円、うま辛あんかけ焼そばが1,000円。さらに焼そばとラーメンなどを組み合わせるハーフ&ハーフが1,200円で用意されており、1人で2種類を食べ比べできます。サイドはザンギ(5個)700円、ぎょうざ(5個)480円、春巻き(3個)330円、胡麻団子(3個)330円。夜限定のとろり庵セットは1,200円です。
営業時間は平日が11:00〜15:00と17:00〜19:30(ラストオーダー)、土日祝は11:00〜19:30(ラストオーダー)で、定休日は火曜日。桜エリアにあるため、レンタカーや車での移動を前提にした人と相性がいい店です。注意点は、駅前観光だけの旅程には組み込みづらいこと。逆に言えば、車移動の人にとっては行列と駐車の悩みを同時に減らせる選択肢になります。
| 住所 | 北海道小樽市桜5-7-23 |
| 電話番号 | 0134-54-8287 |
| 営業時間 | 平日 11:00〜15:00/17:00〜19:30(ラストオーダー)、土日祝 11:00〜19:30(ラストオーダー) |
| 定休日 | 火曜日 |
| 駐車場 | 13台完備 |
| 公式サイト | 公式サイト |
6軒を数字で比べるとわかる、自分に合う1杯

価格・エリア・定休日をまとめて比較(さっぽろノート調べ)
6軒を横に並べると、選ぶべき店がはっきりします。以下はさっぽろノート調べによる比較です。価格は各店の代表的なあんかけ焼きそば1皿の金額を基準にしています。
| 店名 | 代表価格 | エリア | 定休日 | 味の方向性 |
|---|---|---|---|---|
| 中華食堂 桂苑 | 920円 | 都通り | 木曜 | 醤油ベースの王道 |
| 五十番菜館 | 860円程度 | 都通り | 火曜(不定休あり) | あっさり系・あげそば有 |
| 中華食堂 龍鳳 | 公式で要確認 | 梁川商店街 | 木曜 | 個性派・ダブルスープ |
| 小樽中国料理 レストラン好 | 1,000円 | 小樽運河 | 12/31〜1/2 | 塩・醤油が選べる本格中華 |
| 中国料理 華舟 | 950円程度 | 花園 | 月曜 | 濃厚ブラウン・発祥の系譜 |
| 小樽あんかけ処 とろり庵 | 980円 | 桜 | 火曜日 | 専門店・醤油と塩の選択制 |
こうして並べると、6軒の価格差はごくわずかな幅に収まっていることがわかります。つまり値段で悩む必要はほとんどなく、決め手になるのは「エリア」と「その日が定休日かどうか」の2点です。特に木曜と火曜は候補が減るので、旅程が固まった段階で曜日から逆算するのが賢い進め方になります。
ハーフサイズの有無が旅の自由度を決める
比較表には載せていませんが、旅行者にとって地味に効くのがハーフサイズの有無です。小樽あんかけ処 とろり庵はハーフが680円で用意されており、ハーフ&ハーフ1,200円という組み合わせも選べます。中華食堂 龍鳳もハーフサイズがあり、麺1玉分に抑えられます。
これが効くのは、小樽で複数のグルメを回るときです。寿司、海鮮丼、スイーツ、そしてあんかけ焼きそばを1日で回ろうとすると、普通サイズを2皿食べた時点で計画は崩壊します。ハーフを起点に組み立てれば、午前に市場で海鮮、昼にあんかけのハーフ、午後に堺町通りでスイーツという流れが現実的になります。
一方で、ハーフの設定がない店もあります。その場合は同行者とシェアするか、1日1皿と割り切るのが正解です。注意点として、シェア前提で少なめに頼むと、あんが冷めて固まる時間が長くなります。取り分けるなら出てきてすぐ、熱いうちに分けるのがコツです。
| 駅前エリアの店を選ぶメリット | 駅前エリアの店のデメリット |
|---|---|
| JR小樽駅から徒歩圏で荷物があっても行ける アーケード内なら雨や雪をしのげる 920円台から食べられて予算を圧迫しない | 昼のピークは行列になりやすい 木曜定休の店が重なり空振りしやすい 夜に営業していない店がある |
目的別に選ぶなら、この4パターン
ここまでの情報を、読者タイプ別に整理します。まず「小樽は初めて、王道を1皿食べたい」人は中華食堂 桂苑。920円で小樽あんかけ焼きそばの基本形が理解でき、駅からも近いので旅程を壊しません。
次に「運河観光とセットにしたい」人は小樽中国料理 レストラン好。運河の正面という立地と11:00〜21:00の通し営業で、観光の時間が読めなくても対応できます。「あんかけ焼きそばを目的に来た」人は小樽あんかけ処 とろり庵。焼そば・ラーメン・炒飯・丼と、あんかけの全形態が同じ店で食べ比べられます。
そして「他人と違う一皿を食べたい」人は中華食堂 龍鳳、「発祥の系譜を味わいたい」人は中国料理 華舟、「あっさり派・食後の軽い一皿がいい」人は五十番菜館という並びになります。注意したいのは、この4パターンを1日で全部やろうとしないこと。ボリュームのある料理なので、1日2軒が現実的な上限です。

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旅程に組み込むならどう回る?小樽あんかけ焼きそばの現実的な回り方
札幌日帰りなら「昼をあんかけに固定」する
札幌から小樽へ日帰りする人がいちばん多いパターンです。この場合、あんかけ焼きそばは昼に固定するのが正解になります。理由は単純で、小樽の中華食堂系は昼に営業が集中しており、夕方以降は選択肢が減るからです。
具体的な流れとしては、午前中に小樽運河と堺町通りを歩き、12時前後に都通りへ戻ってあんかけ焼きそば、午後に北一硝子やオルゴール堂を回って夕方の列車で札幌へ、という組み立てになります。都通り商店街はJR小樽駅から近いので、帰りの列車時刻から逆算しやすいのも利点です。
このパターンで気をつけたいのは、朝市や寿司でお腹を満たしてしまうこと。小樽の海鮮は魅力的ですが、あんかけ焼きそばは普通サイズが麺2玉分の店もあるため、両方フルサイズは物理的に厳しい。海鮮も食べたいなら、あんかけはハーフのある店を選ぶか、丼を小サイズにするか、どちらかの調整が必要です。
観光を優先して昼食を後回しにし、14時すぎに中華食堂へ向かうと入れないことがあります。昼のみ営業の店は早い時間に閉まり、龍鳳のように麺やスープが切れると早めに終了する店もあるためです。対策は、あんかけ焼きそばを「観光の合間」ではなく「予定の一つ」として先に時間を確保しておくこと。11時台に入ってしまえば行列も短くて済みます。
1泊するなら夜に強い店を1軒キープする
小樽に泊まる人は、夜の選択肢を先に押さえておくと安心です。小樽中国料理 レストラン好は11:00〜21:00の通し営業で、定休日も12月31日〜1月2日のみ。中国料理 華舟は花園の飲食店街にあり、夜遅くまで営業しています。この2軒を知っているだけで、夜の食事難民になる確率は大きく下がります。
宿泊の場合の使い方としては、初日の夜に寿司や海鮮居酒屋、2日目の昼にあんかけ焼きそばという順番が自然です。あるいは飲んだ後の締めに華舟であんかけヤキソバ、という小樽らしい選択もあります。ラーメンで締めるのが札幌なら、あんかけで締めるのが小樽、という言い方もできます。
注意点は、夜営業の店でもラストオーダーの時間は店ごとに違うこと。小樽あんかけ処 とろり庵は平日が17:00〜19:30(ラストオーダー)、土日祝が11:00〜19:30(ラストオーダー)で、夜遅くまでは開いていません。「専門店だから夜も安心」と考えると外します。
車で行くなら郊外の専門店が効いてくる
レンタカーや自家用車で小樽へ向かう人は、駅前エリアにこだわる必要がありません。都通り周辺は駐車場探しに時間を取られやすく、荷物を置いて歩く前提の場所だからです。
その点、桜エリアの小樽あんかけ処 とろり庵は車移動と相性がいい選択肢です。あんかけ焼きそば980円、ハーフ680円、うま辛あんかけ焼そば1,000円と、あんかけの全メニューが揃っているので、家族連れで別々のものを頼んでも全員があんかけを味わえます。ザンギ(5個)700円やぎょうざ(5個)480円をシェアすれば、食卓としても成立します。
使い分けの目安はこうです。JRで小樽入りするなら都通りの桂苑や五十番菜館、車なら郊外のとろり庵、運河観光の流れなら好。この3択で考えると迷いません。注意点は、冬季の小樽は坂道と積雪で運転の難易度が上がること。冬に車で回るなら、駐車と徒歩移動の時間を多めに見ておいてください。
初めてでも失敗しない注文と食べ方のコツ
塩と醤油、どちらを選ぶべきか
あんの味を選べる店では、最初の1皿は醤油をおすすめします。小樽あんかけ焼きそばの原型に近いのは醤油ベースで、中華食堂 桂苑の醤油ベース+ニンニク・ショウガ・ゴマ油という組み合わせが、この料理のイメージを作ってきたからです。
塩が向くのは、素材の甘みを感じたい人や、2皿目として食べる人です。小樽中国料理 レストラン好では五目・海老・豚肉細切りの各1,000円のあんかけ焼そばで塩と醤油が選べますし、小樽あんかけ処 とろり庵のあんかけ焼きそば980円も醤油・塩の選択制です。同行者と分けて頼めば、1回の食事で両方試せます。
選び方の実際としては、海鮮を食べた後なら塩、これから海鮮を食べるなら醤油、という順番が食べ疲れしにくい組み立てです。注意点は、塩だからあっさりとは限らないこと。あんの濃度は味付けとは別問題で、塩でも固めのあんならしっかり重量感があります。軽く食べたいなら味ではなくサイズで調整するほうが確実です。
行列に並ぶ前に確認しておきたいこと
人気店は行列ができます。中華食堂 桂苑は都通りの人気店として昼のピークに並びますし、中華食堂 龍鳳も店外まで行列ができることがあります。ここで大事なのは、並ぶ前に「あと何分待てるか」を決めておくことです。
理由は、あんかけ焼きそばは提供までに時間がかかる料理だからです。麺を焼き、あんを作り、合わせる工程があるため、席についてからも待ちます。列に並んだ時間だけで判断すると、列車の時刻に間に合わなくなります。目安として、行列の人数×3分程度は席につくまでにかかると考え、そこから調理時間を上乗せしておくと計算が合います。
混雑を避ける具体策は3つ。11時台の開店直後を狙う、平日に行く、そして駅前以外の店を候補に入れることです。特に3つ目は効果が大きく、運河沿いや花園、桜エリアまで視野を広げると待ち時間は目に見えて短くなります。注意点は、開店直後は仕込みの都合で一部メニューが出ない場合があること。特定の一皿が目当てなら、その点は店で確認してください。
子連れ・少食の人が押さえるべき3つの判断
家族連れや少食の人にとって、小樽あんかけ焼きそばは「量」との戦いになります。判断すべきは3点です。ひとつ目はハーフサイズの有無。小樽あんかけ処 とろり庵のハーフ680円のように、最初から量を減らせる店を選べば残す心配がありません。
ふたつ目はシェア前提で頼むかどうか。普通サイズが麺2玉分ある店なら、大人2人で1皿+サイドメニューという組み立てで十分に足ります。小樽あんかけ処 とろり庵ならぎょうざ(5個)480円や春巻き(3個)330円、胡麻団子(3個)330円を足せば、子どもも取り分けやすい構成になります。
3つ目は席のタイプです。中華食堂 桂苑はカウンター5席・テーブル28席の全33席という構成で、テーブル席が中心。ベビーカーや大きな荷物がある場合は、混雑時間を外すほうがお店にも自分にも負担が少なくなります。注意点は、人気店ほど回転を意識した運営になること。ゆっくり長居したい日は、通し営業の店を選ぶのが正解です。

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まとめ:小樽あんかけ焼きそばは「エリアと曜日」で選べば外さない
小樽あんかけ焼きそばは、昭和25年頃の記録から数えて70年以上、この街で食べ継がれてきた料理です。明確な定義がないまま各店が独自に進化させてきた結果、醤油の王道もあれば、かぼちゃとチーズの変化球も、あんかけだけを極めた専門店も生まれました。最初の一歩としては、JR小樽駅前から徒歩5分の中華食堂 桂苑で920円の王道を1皿食べてみてください。そこを基準点にすると、2軒目以降の選択が一気に楽になります。
なお価格・営業時間・定休日は変更されることがあります。訪問前に各店の最新情報をご確認ください。

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